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フィリピン紙幣の旅 [200ペソ紙幣編] フィリピン紙幣に描かれている歴史的英雄と風景

2021年03月08日 By: SHIN


さて、皆さんはフィリピンのお金についてどこまでご存知でしょうか。 [200ペソ紙幣編]

フィリピン旅行の際には、日本円からフィリピンペソに両替することも多く、フィリピンペソの紙幣や硬貨を目にした方も多いでしょう。
では、その紙幣に絵描かれている人物は誰なのか、紙幣に描かれている場所はどこなのか知っていますか?

ご存知の通り、単位はフィリピン・ペソ( P )。補助通貨はセンタボ( ¢ )。
1ペソは100センタボ。
紙幣の種類にはP1,000、P500、P200、P100、P50、P20 の6種類。
硬貨の種類はP10、P5、P1、¢25、¢10、¢5、¢1の7種類となっています。

今回は200ペソ紙幣に描かれている歴史的人物と風景について共有したいと思います。

 

現在のフィリピン紙幣の歴史

2009年、フィリピン中央銀行/ BSP / Bangko Sentral ng Pilipinasは、セキュリティ機能をさらに強化し、耐久性を向上させるために、紙幣と硬貨の大規模な再設計を開始したと発表しました。 numismatic委員会のメンバーには、Bangko中央副知事Diwa Guinigundoと国立歴史研究所のDr. Ambeth Ocampo会長が含まれます。
新しい紙幣のデザインは、有名なフィリピン人と象徴的な自然の驚異を備えています。フィリピンの国のシンボルは硬貨に描かれます。
新しいデザインシリーズから新世代の通貨シリーズへのスムーズな移行を提供するために、フィリピン中央銀行はサイズ、主な色、NGC (新紙幣/ New Generation Currency)の主なパーソナリティなどのNDS (旧紙幣/ Old Banknote Series)機能を保持しましたが、コラソンアキノ大統領の肖像画は例外で500ペソ紙幣には新しく肖像画を追加。
その後、フィリピン中央銀行は2010年12月16日に新しい紙幣の最初のバッチのリリースを開始しました。新紙幣は2014年まで旧紙幣と共存し、フィリピン中央銀行は最新の偽造防止セキュリティ機能を備えた新紙幣を印刷および生成する機能を構築しています。世界中でベンチマークされた高度なテクノロジーを通じて組み込まれました。色はデザインで重要な役割を果たし、数値、シール、紙幣の縁などの重要な要素を際立たせています。
前面に大きな凹版印刷の数字が含まれていることにより、各単位が区別され、視覚障害者を支援します。

 

200ペソ紙幣 Php 200

表面

人物:ディオスダド・マカパガル / Diosdado P. Macapagal

http://www.philippine-history.org/presidents.htm

ディオスダド・マカパガル(Diosdado Macapagal、1910年9月28日 – 1997年4月21日)はフィリピンの第9代大統領。第三共和国としては5代目の大統領 (任期 1961年12月30日 – 1965年12月30日)。

1910年9月28日生まれ。パンパンガ州出身。フィリピン大学、聖トマス大学卒業。弁護士。フィリピン外務省職員。
1949年パンパンガ州の第一区選出のフィリピン国会。
1957年カルロス・ガルシア第9代大統領政権で副大統領。

その後、1961年の大統領選挙では、現職ガルシア大統領と対立した。ガルシアは政治的腐敗と戦うことを公約とし、1961年11月14日に行われた総選挙で大統領に当選、同年12月30日に就任した。就任後は贈収賄の抑制やフィリピン経済の活性化を目標にしていたものの、ナショナリスタ党員の多い上院と下院に反対された。
1965年の総選挙ではフェルディナンド・マルコスに敗北して退任した。

2003年から2012年までの間、クラーク国際空港がディオスダド・マカパガル国際空港に改称されていた。
また現在もメトロマニラのパラニャケ市エンターテインメントシティからシティオブドリームスを過ぎてパサイ市のマニラ世界貿易センター辺りまで道路は、彼の名に由来したディオスダド・マカパガル ブールバードとなっています。

なお、娘のグロリア・マカパガル・アロヨも後にフィリピン第14代大統領になっており、親子2代での大統領です。

 

情景:EDSA革命2001 / EDSA People Power 2001

EDSA革命2001 では、当時の大統領ジョセフ・エストラダの不正蓄財等、正当性に疑問をもった市民が決起しデモを起こした。エストラダ大統領の退任の際に大統領に就任したのが、エストラダ政権で副大統領であり、ディオスダド・マカパガルの娘でもあったグロリア・マカパガル・アロヨです。

フィリピンでは、大統領選挙と副大統領選挙は別々に行われ、大統領が任期途中で退任した場合には、副大統領が大統領に昇格することになっています。

なお、1986年に起こったマルコス政権への革命をEDSA革命1、に対してEDSA革命2001をEDSA革命2と呼ばれることもあります。

 

建物:アギナルド・シュラインでの独立宣言とバラソアイン教会/ Declaration of Philippine Independence in Kawit, Cavite, Barasoain Church in Malolos, Bulacan

アギナルド・シュラインは、カビテ州にある国のアギナルドの当時の自宅で、1898年6月12日にスペインからのフィリピン独立宣言がされた場所です。現在は博物館になっています。2017年版からはその様子が描かれています。

バラソアイン教会は、ブラカン州マロロスに1888年に建てられたカトリック教会です。 「東洋の民主主義のゆりかご、フィリピンで最も重要な宗教建築物」と言われ、1898年フィリピン独立後の最初の革命議会を開催した場所です。

最初の革命議会は、1898年9月15日にフィリピン憲法の草案 (マロロス憲法) を作成するために召集されたもので、バラソアイン教会で最初のマロロス議会 (フィリピン議会) が開催されました。これはフィリピン革命政府が、首都をカビテからブラカンのマロロスに移転することを決定していたからです。

1899年1月21日フィリピン革命政府がマロロス憲法を承認し、 1899年1月23日フィリピン共和国エミリオ・アギナルドが初代大統領に就任することを宣言した。しかし、アメリカはフィリピンの独立を承認せず植民地化を図り、それに抗議・対抗するフィリピン政府との間で、フィリピン・アメリカ戦争 (米比戦争)が勃発します。

(2010年版紙幣はアギナルド・シュラインとバラソアイン教会の建物の描写でしたが、2017年版にて変更されました)

 

裏面

風景:ボホール島のチョコレートヒルズ / Chocolate Hills in Bohol

チョコレート・ヒルズは、フィリピン・セブ島の東部に位置するボホール島内にあります。これは地質学上の特異な地形となっており、一帯には少なくとも 1,260の丘があり、一説には50平方キロメートル以上の広さにわたって 1,776の丘があるとも言われています。丘の表面は多く草で覆われており、乾季に入るとこれらの草木が枯れて茶色に変わり、チョコレートのような色合いになることから、この名が付いています。

チョコレート・ヒルズは、ボホール州の有名な観光地のひとつです。ボホール州の旗や紋章にも、州の豊かな自然の魅力を象徴するものとして描きこまれています。またフィリピン観光庁のフィリピンの代表的観光地のリストに入っており、UNESCOの世界遺産の候補としても提案されています。

なおチョコレートヒルズは、石灰岩が地殻変動によって海面上に隆起し、破砕され、さらに雨水や地表面状の流水、地下水などによって侵食された結果、形成されたものと言われている他、現地では様々な言い伝えもあります。

 

動物:ターシャ / Tarsius syrichta, Philippine Tarsier

メガネザルは、フィリピンの他、インドネシア、ボルネオなど、東南アジアのに生息する。その中でターシャ (フィリピンメガネザル) は、フィリピン特有の種でチョコレート・ヒルズと同じく、ボホール島内に保護区と保護施設があります。体重100グラム程度の世界最小の霊長類と言われている。

メガネザルの由来の通り脳の重さとほぼ同じといわれる大きさの眼を持っており、それは愛くるしさの一つでもあります。

ターシャは夜行性で、日中は地面に近い暗い木のくぼみの中で眠り、夜間のみ活動します。その夜行性に順応するために、暗い時に少しの光でも見えるように大きな眼に進化したと言われています。瞳孔の調整が上手くないらしく昼間は明るすぎて見えにくいため目を閉じて過ごしているそうです。

 

織物:ビサヤの織りデザイン / Visayas weave design

アバカ麻 (マニラ麻)、綿、パイナップルなど様々な繊維を使用した生地で織るビサヤ織のデザインを描いています。

 

まとめ

ボホール島は、セブ島の南東にある島でフィリピンでは10番目に大きな島 (3,821km2) です。世界遺産候補のチョコレートヒルズや世界最小の霊長類ターシャの他にも見どころがたくさんある島で観光客にも人気です。
ボホール島へは、セブ島からも2時間程度の船で行くことができ、セブ島旅行の際に1日ボホール島へ向かう人も多くいます。最近ではボホール島にパングラオ 国際空港が新しく竣工しましたが、残念ながら日本からの直行便はまだありません。

この他にもフィリピンという国にとって、またフィリピン人にとっての英雄が存在します。英雄たちの偉業やそれに感銘を受けた人々の言動などを知った上で、いろんなところに訪れると、より感慨深いものになります。そしてフィリピンには美しい場所が本当にいくつもあります。

フィリピン旅行の際には少しだけフィリピンの歴史と地理の勉強すれば、その時間以上に楽しいものになるのでおすすめです。

 

The images of banknotes on this page are provided by Bangkok Sentral ng Pilipinas.
http://www.bsp.gov.ph

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(SHIN)