意外と脆い?ジプニーの事故と強度

2017年07月06日 By: ptnadmin

マニラに訪れたり在住している方は、毎日1回は必ず目にすることになる「ジプニー」。元々は米軍が残したジープの払い下げを改造したものでしたが、現在は鉄板1枚から車を組み上げる技術が確立しています。そんなジプニーですが、マニラの交通事情で事故が発生することもあります。

先日アメリカの研究機関が発表した車の強度に関する発表によると、50年前の車と現代の一般乗用車が正面から時速65キロのスピードで衝突した場合、50年前の車は大破する一方で現代のものは前方部分に破損は生じるものの、乗車空間はある程度守られるということがわかっています。その他にも安全に関する技術は向上しており、以前は車内だけであったエアバッグがボンネットにも装備され、衝突と同時に車の前方がある程度守られるようになっています。

マニラでたくさんの台数があるジプニーですが、その耐久性・老朽化に問題の目が向けられています。安全性に関しては強度に問題があり、鉄板をつなぎ合わせたような車体は大きいながらも強度がそこまで大きくないため破損したまま走行している場合もあります。またエンジンが中古であり、中国や日本から輸入されたモーターにも劣化が見られます。このため燃費が悪く、また排気ガスが大量に出てしまうこともあって、現在国レベルでジプニー文化の改善に取り組む動きが出ているのです。

それに対して、もちろん反発を強めるのが現在ジプニーで生計を立てている方々。特にドライバーの協会は先日一部でストライキを実施した結果、マニラの交通網に大きな影響を及ぼすこととなりました。外国人である私たちから見れば、ジプニー文化を残しつつ、安全と環境に配慮した新しい形にシフトしていく必要があるとは感じますが、フィリピンの文化の中でそのような取り組みがどれだけの時間と労力を費やさねばならないかというのは、「想像できないほど」であり、なかなか重い腰が上がらないという実態も理解できます。これからどのようにジプニーがフィリピンの中で扱われていくのかは、数十年単位で見ていく必要がありそうです。