戦争の歴史を今に残す「フォートサンチャゴ要塞」

2017年04月18日 By: ptnadmin

フォート・サンチャゴ要塞はイントラムロスにあるマニラの著名な史跡名所です。その名の通り戦時中などには要塞として利用された戦いの要所であり、パシッグ川に隣接するこの施設は海からの攻撃に対して防衛の最前線であったとも考えられています。

現在は観光地として世界中から沢山の観光客が訪れているフォートサンチャゴ要塞ですが、実際に利用されていた当時は様々な歴史がありました。フィリピン、アメリカ、日本のそれぞれの軍隊が利用することにより、その歴史は深く複雑になっていきました。時には捕虜が水攻めにあったり、激しい戦いで戦死者が出たこともあります。悲しい歴史に祈りを捧げようと、現在フォートサンチャゴ要塞の敷地内には祈念のための十字架などが建立されています。

また、この戦争の側面とはまた別にフォートサンチャゴ要塞はフィリピン人にとって別の大きな意味を持っています。それが、フィリピン独立の英雄として知られ、現在1ペソ硬貨にもも横顔が刻印されている「ホセ・リサール」についてです。

ホセ・リサールはその聡明さから若くしてフィリピン独立の主導者として担ぎ上げられていましたが、最終的にはその活動を妨げようとした当時のスペイン軍により処刑されてしまいます。処刑されたその場所は、今のリサール公園の記念碑が経っている場所とされています。ホセ・リサールは囚われの身になってから処刑のその日まで、フォートサンチャゴ要塞の牢屋の中に閉じ込められていました。処刑のその日、牢獄から連れ出されたリサールは、小さな歩幅でリサール公園のある場所まで歩かされたという話はフィリピンで知らない人がいないほど有名です。その1歩1歩は現在、鉄の板を地面に打ち込んでフォートサンチャゴ要塞の中に記されています。

近年はホセ・リサールに関する研究が進んだ結果、フォートサンチャゴ要塞の中にリサール博物館もオープンしました。フィリピンの中で1人の偉人に焦点を当てた施設は非常に珍しく、以下にリサールが国民に愛されていたかを知ることができます。サン・アングスティン教会と並んでイントラムロス内の名所として知られるフォートサンチャゴ要塞。マニラ市内観光でも訪れることができますので、是非その歴史の現場をご覧下さい。