史跡の中に残る繊細なアート・細工に注目してみよう

2017年05月12日 By: ptnadmin

マニラには世界遺産を含めた数多くの貴重な史跡名所があります。その全体像や背景を知ることが観光の醍醐味なのですが、今回はそんな史跡の中にある繊細なアートに着目してみましょう。

史跡名所の多くは敷地面積が広大で、細かい部分に目が届かないこともしばしばあるかと思います。しかしながら、史跡だからこそ細部に注目することで面白さが倍増するのです!今回はその例として、世界遺産となっているサン・アグスティン教会の写真をご紹介しています。

この写真は、サン・アグスティン教会の祭壇の目の前に立ち、右を向くと見つけることができる黒色の扉です。世界遺産となっている祭壇や教会の内装に目を奪われがちでなかなかこの扉の存在に気付くか方はいらっしゃらないのですが、訪れた際にはぜひ注目して頂きたいと思います。

スペイン統治時代、フィリピンには異国の文化がかなりの速度で入り込んできました。東南アジアの島国であるフィリピンに当時のヨーロッパ文化が混ざり込むということは相当の衝撃があったものと考えられます。各史跡がそれを示しているように、統治時代に作られた建造物のほとんどはフィリピンらしさを持っていません。これは文化が浸透したわけではなく、あくまでも流入してそこに根ざしただけであり、フィリピンの文化と上手く融合したとは言えない部分もあったことを現代の私たちに教えてくれるものでもあります。

フィリピンの工芸品は元来自然由来の材料で作られており、現地特産のアバカという植物を使った家具、ニッパヤシの屋根など、その素材の特徴を上手に活かして作り上げられてきたものが多いのが特徴です。それに対してマニラで見られるヨーロッパ文化圏の建築物は、設計者の理想的な形を表現することに重きが置かれています。その為、これらの建築物はデザイン、アート性がフィリピンのものよりも高くなっているようです。

マニラの観光ならではと言える、東南アジアに残る異国の文化見学。現地を訪れたらぜひ時間を作って各史跡を巡ってみて下さい。

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